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「あたらしい結婚」が事業としては上手くいかなかった2つの理由とこれから

あたらしい結婚の始まり

あたらしい結婚は、2020年の11月頃から取り組み始めたスタートアップ(急成長するものとして設計されている会社)のプロジェクトです。当時はざっくり「結婚2.0」と呼んでいて、「結婚への最短距離」を実現するためのプロダクトを構想していましたが、年明けあたりから「恋愛結婚とは異なる価値観を土台にした結婚」の実現を志向するようになりました。そして、2021年2月に公開したブログ記事東京大学UTCPでのトークイベントをきっかけに「あたらしい結婚」というフレーズを使い始めました。

あたらしい結婚のこれまで

3月15日に最初のプロダクト「あたらしい結婚適性診断」を公開。翌日には最初の予約が入り、同月26日に適性診断を実施し始めました。適性診断にくわえて、夫婦・家族診断、自分診断、相手診断も作り、それらの実施を6月10日までおこなってきました。診断も終え、結婚相手のご紹介へと進む準備が整いました。しかし、あたらしい結婚を事業として進めるのであれば解決しなければいけない、以下に挙げる問題が発生していました。あたらしい結婚を事業として進めることが難しい理由ともいえます。

理由1:想定していた課題(恋愛結婚とは異なる価値観を土台にする結婚をしたいが、サポートが必要)を抱えている男性にあまり出会えなかった

あたらしい結婚を通して「恋愛結婚の価値観って窮屈だよね」と思っている独身の方々に男女問わず、たくさん出会うことができました。「恋愛結婚の価値観って窮屈だよね。でも結婚はしたい」と思っている独身女性の方々には出会えましたが、「でも結婚はしたい」と考える独身男性の方々にはあまり出会えませんでした。診断サービスを有料にすることによって、お金を出してもよいと思える程度に「本気で従来の結婚観とは異なる結婚がしたい」ユーザーの皆様と出会おうとしたのですが、実際に診断を始めてみると、そこに男性の姿は多くなかったのです。

すべての診断を終えた男性はいらっしゃいます。しかし、すべての診断を終えた女性と比べると少ないです。診断予約受付開始直後からこの問題には気づいており、4月5日にはClubhouseで『👪結婚に興味がない独身男性にとっての「あたらしい結婚」の価値とは?☕️挙手歓迎🙋‍♂️#あたらしい結婚CH』というルームを立てたりもしていました。色々と試してみたものの、根本的な解決には至りませんでした。

診断を受けてくださった男性ユーザーの方々に話を伺ったところ、「あたらしい結婚のような価値観に興味はあるので診断を受けてみたが、結婚しないと困るわけではない」とおっしゃっていました。

僕たちが潜在的なユーザーなのではないかと思っていた、恋愛に対して比較的淡白な独身男性の方々にも話を聞きに行きましたが、彼らは従来の恋愛結婚を希望していました。また、従来の結婚観とはズレのある希望についても、従来の恋愛結婚の中で十分に調整ができると考えていることを知りました。彼らはその気になれば自力で結婚をし、必要に応じて、その結婚を「あたらしい結婚」化しようと思っています。そして自力で結婚を実現していない場合、切実には困っておらず、結婚できるサービスも必要としていません。

理由2:あたらしい結婚が事業として成長する道筋が見えない

現在、あたらしい結婚を使ってくださっている方々の特徴を分析すると、人口的にかなり限られていることがわかってきました。そのため、今のままのあたらしい結婚では、事業としての成長が途中で止まってしまいます。成長しなくとも素晴らしい事業は世の中に多くありますが、成長のないスタートアップは、スタートアップとしては上手くいきませんし、社会を変革することもできません。

ユーザーの皆様へのサポートについて

あたらしい結婚にはユーザーの皆様がいます。事業としては止める決断をしましたが、精一杯サポートさせていただきたいと思っています。

相性の良い結婚相手候補がいらっしゃるユーザーの皆様同士に対しては、皆様にとっての幸福な結婚と家族の実現の一助となるべく、ご紹介の提案をさせていただきます。

相性については、次の2つの軸を用いて導き出しました。

1. 実現したいあたらしい結婚像が似ている(「あたらしい結婚適性診断」で一方の「希望する」ともう一方の「希望しない」が重なる項目が存在しなかった)

2. 相手の夫婦家族像、人生や価値観をお互いに許容している(「夫婦・家族診断」「自分診断」「相手診断」における一方の診断回答が、もう一方の「許容範囲」の選択内に入っている割合が高かった)

該当するユーザーの皆様の意思を確認したうえで、お相手のご紹介(情報開示、オンラインビデオ通話、ご連絡先交換)をサポートさせていただきます。

ご連絡先交換以降と、相性の良い相手が今回見つけることができなかったユーザーの皆様に関しましては、事業としての具体的なサポートをご用意することができませんでした。申し訳ありません。僕らにできることが何かありましたら、個別にご相談いただければ、できる限り対応させていただきます。

これから

あたらしい結婚が目指していた、柔らかい結婚と家族の形がめずらしくなくなる未来は遠いものではないと思っています。僕たちはその未来の実現を後押しするような発信を続けます。

このプロジェクトに期待してくださっていた皆様、僕らの力が及ばず、申し訳ありませんでした。あたらしい結婚プロジェクトを通して、多くの出会いと学びがありました。そのすべてに感謝をし、またそれらを生かすべく、歩みを止めずに、次のプロジェクトに向けて動き始めています。未熟な僕らですが、引き続きどうぞよろしくお願いいたします。

ご連絡やご質問のある方はこちらへお願いします。
m@kakinokimasato.com

次のプロジェクトが始まったら教えてほしい方は、こちらへお願いします。
https://airtable.com/shrkGfzCGw74QRYHO

Twitterはこちらです。
@kakinokimasa

あたらしい結婚
Masa, Kakinoki Masato
Daiki, Suzuki Daiki

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